お洗濯ものの生乾きの臭いはとても気になりますね。しっかりと乾燥させたはずなのに、気がつくといやな臭いがついてしまっています。
しかも、いったん生乾きの臭いが付いてしまうと、もうその衣類やタオルからは臭いはかなり頑固で消えにくいですよね。
今回は生乾きの臭いの原因と、臭いが出にくいタオルの素材をご紹介します。臭いという点から考えると、綿や絹と言った天然素材がおすすめです。
生乾きの臭いが出にくいタオル素材
生乾きの臭いが出にくいタオルの素材は、綿・麻・絹・ウール
これらの素材の共通点は「天然素材」であるということです。
実は綿や麻、絹と言った天然素材は吸水性が非常に高いんです。吸水性が高いと言うことは、雑菌が作り出す臭いのついた水分を繊維の中に取り込んでくれます。
これによって、臭いの元となるものを衣類の外に臭いが出ていきにくくするので、結果として生乾きの臭いがしにくい素材となるのです。
また天然素材は水分としての汗もどんどん吸い取り、水分だけを放出することができるので、首に巻くなど着用していても快適。
天然素材は吸水性にすぐれていて、防臭性も高いという理想的な素材なのですね。最近では糸の組織の真ん中に空洞がある中空糸など、さらに改良された繊維が使われているタオルもあり、部屋干し専用のタオルも販売されるようになりました。
タオル以外の用途では
衣類の素材で臭いがでにくい素材となると、上記で紹介した天然素材の他にウールがあります。
特に冬場の汗の臭い対策にはウール100%の衣類はおすすめ。肌着として綿100%のものを着て上からウールを着れば、汗を放出しやすく、臭いがこもることも少ないのです。
もちろん、天然素材であっても汗や汚れをつけたまま洗濯物をため込んだり、生乾きにしていると臭いが付きやすくなりますので注意しましょう。適度なペースでのお洗濯と完全に乾燥させてから収納ということが大事なポイント。時々はクリーニングを利用するのもいいでしょう。
生乾きの臭いの正体は、雑菌!
改めて認識しておいて欲しいのは、お洗濯ものの生乾きのいやな臭いの正体は「雑菌」だということ。
においの原因は汗や汚れだと思いがちですが、汗そのものはそれほど強く臭うものではありません。臭いは汗をかいた後の、皮膚上で発生します。
人間の皮膚の上に常時いる雑菌が、脂分の多い汗を食べて繁殖することで臭いが発生するのです。
臭いが出ないようにするためには、汗やたんぱく質の汚れが付いた衣類・タオルはすぐに洗濯すること、洗濯をしたらすぐに干すことが大事な対策。せっかくお洗濯をしても、衣類やタオルが濡れたままの状態だと、やはり雑菌が繁殖しやすいからです。
また衣類やタオルを熱湯で煮沸することや、酵素系漂白剤を使用することで、ついてしまった生乾きの臭いが軽減することがあります。ただし、いったんついてしまった嫌な臭いを落とすことは、とても難しいということを理解してください。生乾きの臭いが出にくい素材のものを選ぶということが、長く使うために一番大切なことなのです。
雑菌の増えにくい洗濯機のメンテナンスやタオルの扱い方についてまとめています。
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生乾きの臭いが出やすい素材
では逆に、生乾きの臭いが出やすい素材は何でしょうか。
タオル素材の中で生乾きの臭いがでやすいものはポリエステルなどに代表される化学繊維です。
これは、合成繊維が水分に強いという利点が逆に弱点となったものです。水分を吸収しにくいという性質が逆に皮膚の脂分を引き付けやすいという欠点につながってしまっているんですね。
先に述べたとおり、臭いの原因は雑菌であり、その栄養の元が脂肪だったりするのです。
実は、ポリエステルやポリプロピレン、レーヨン、ポリウレタン、アクリルなどの化学繊維を使用した衣類には、繊維の表面に人体の出す脂分を吸着しすい性質があります。
脂分が付きやすいということは脂分をエサにする雑菌が増殖しやすい=嫌な臭いが出やすいということで、生乾きの臭いが強くなってしまうのです。
逆に、綿や麻、絹といった天然素材の上には化学繊維ほど脂分が吸着しませんから、臭いの元になるたんぱく質汚れが少なく、臭いも発生しにくいのですね。
化学繊維のタオルの臭いを取るには
化学繊維上の雑菌繁殖が原因となる臭いは、柔軟剤や香りつき洗剤を使ってもなかなか消すことはできません。
一時的に臭いを隠す・ごまかすことは可能ですが、根本的な原因が解決しているわけではないので、再び臭うことになります。
化学繊維の臭い対策としては、「過炭酸ナトリウム」を使った酸素系(さんそけい)漂白剤の使用が効果が高いです。化学繊維は漂白剤に強い素材なので天然素材ほど気をつかわずに漂白ができ、臭いやたんぱく質汚れを落とすことができます。完全除去はできないので、天然素材同様に再発してしまうということを認識して実施してみてください。