最近、目にすることが多くなったバンブーレーヨンをつかったタオル。「バンブー」とは「竹」のこと。竹を原料につくられた合成繊維のことをバンブーレーヨンといい、いま、タオルの素材としても注目が集まっています。
今回は、バンブーレーヨンのタオルについて、ご紹介していきます。
竹から作るレーヨンがタオルの素材として注目される2つの理由
竹を原料にしたバンブーレーヨンがタオルとして人気が出ている理由についてみていきましょう。
理由1 竹の成長が速いために環境に優しい
竹は、普通の木よりも成長がはやく、肥料や農薬のない環境でも良く育ちます。「破竹の勢い」という言葉があるように、手をかけなくても自分の力でぐんぐんと育つのです。木材は、伐採してから次の木が育つまでに数十年の時間がかかります。同じ面積の土地で育てるならば、竹のほうが環境にもやさしく生産性も高い。
他の合成繊維をつかうよりも、竹でつくったレーヨンをタオルの素材にすれば、良い循環が生まれるのです。
理由2 竹のタオルは縁起物
竹を原料にしたタオルは2つの意味で縁起が良いということで贈り物に喜んでいただけると思います。
まずは、タオル自体の贈り物として好まれていますが、タオルは縁起物であるという考え方があります。タオルは糸をつむいでひとつの道具として完成されます。材料に使われている糸は、「縁」に例えられ、大切な方とのご縁結びという意味を持ち「縁を起こす物」=「縁起物」とされています。
また、竹にも同じように日本人であれば大体の人が縁起が良いという印象を持っていると思います。「松竹梅」とまとめてお祝い事の象徴として知られているモチーフです。竹は暑さ寒さに耐えて、いつも青々としてまっすぐにのび、しなやかで折れることがない。
生命力の象徴になります。
このようにおめでたい植物を原料に作られたバンブーレーヨンのタオル、縁起物としてタオルギフトに向いているアイテムなんですね。
バンブーレーヨンってどんな繊維?特徴は?
バンブーレーヨンは「竹繊維」と表現されることがありますが、竹繊維には2種類があります。
竹の繊維を、麻(リネン)と同じように天然の状態でそのまま取りだしたものを「バンブーリネン(天然竹繊維)」、竹の中の繊維を一度溶かして化学的に再生して糸にしたものを「バンブーレーヨン(再生竹繊維)」と分類されます。
竹そのものの特性をもっているのはバンブーリネンですが、繊維がかたいのでタオルづくりには向きません。バンブーレーヨンは繊維をやわらかくしなやかな特徴を持つように合成された長い繊維なので、タオルづくりの糸に向いています。
レーヨン繊維の特徴は?
もともとレーヨンは、紙の材料につかわれる木材パルプや、木材加工の過程で生まれるおが屑、端材、廃材などを有効利用した再生繊維です。
木材のなかの天然繊維(天然セルロース)は紙をつくるには良い長さですが、布をつくるための糸にするには短すぎるのです。そこで化学的な技術をつかって扱いやすい長い繊維(再生セルロース)が開発されました。
化学合成された繊維ですが、天然素材と同じように微生物によって分解されて、自然界に戻るのも特徴。高級な天然繊維として知られているコットン(綿)は、自然の中にある長い繊維の天然セルロース。同じセルロースであるレーヨンは組み合わせてコットンと相性のいい素材なのです。
天然素材のコットンと一緒に組み合わせることによって、お互いの繊維の特徴を活かした新しいタオルをつくることが出来ます。バンブーレーヨンをつかう割合やつかい方によって、コットン100%のタオルとはちがった特性をもったタオルになるので購入する時には比率をしっかりと見ていきましょうね。
バンブーレーヨンの特徴
・コットンよりも染まりやすい
・潤いがあって肌に吸い付くような風合い
・繊維が均一なので光沢感がある
・コットンにくらべて吸水性が高い
・触ったときにひんやりする(接触冷感)
・洗濯につよく耐久性が高い
・消臭効果がある
・弱酸性で肌にやさしい
バンブーレーヨンを使った流行ブランドタオルはコレ!
コットンは高い吸水性がありタオルに多くつかわれる素材ですが、バンブーレーヨンも、とても吸水性が高い繊維です。
バンブーレーヨンは合成の過程で繊維内部に空間ができ、断面が菊花のような形状をしているので、毛細管現象によって、コットンよりもたくさんの水分をひきこむことが出来るのです。少ない糸で、多くの水を吸収できるので、タオル自体を軽くすることが出来ます。また、空気をふくむ層が多くなるので乾きもはやくなります。
糸そのものの性質も肌にやさしくしっとりとした肌に吸い付くような心地よさがあります。軽いのに吸水性があり乾きやすく触り心地のいいタオルにこだわって、バンブーレーヨンを多く配合しているタオルをご紹介します。
kashwere(カシウエア) NAMI(ナミ)
「kashwere(カシウエア)」は、ハリウッドのアカデミー賞授賞式で受賞者に贈られるなど、世界のセレブに人気のアメリカのブランド。
「日常使いができるカシミア」として合成繊維であるポリエステル100%の独自の繊維「カシウエア」を開発したブランドなので、合成繊維を生活の中にとり入れるのが上手く、バスタオル「NAMI(ナミ)」は、バンブーレーヨン 75% 、オーガニックコットン 25%の配合でつくられています。
同じ厚みのコットン100%のタオルと比べると、持った瞬間、おどろくほどと軽くしっとりとしています。バンブーレーヨンの染まりやすい特性を生かしカラー展開も多く、世界的知名度のあるブランドなので、流行に敏感な人にプレゼントすれば必ず喜ばれるでしょう。
価格:12,100円(税込)
イケウチオーガニック バンブー120
「イケウチオーガニック」は、オーガニックコットンにこだわりをもった今治タオルメーカーです。生活スタオルに合ったものがみつかるよう、たくさんの種類のタオルを生みだしています。
タオルに求める機能によっては、合成繊維も積極的につかっていて「バンブー120」は、とにかく軽く薄く乾きやすいのに、充分な吸水性をもたせるために、バイル部分をバンブーレーヨン100%で織りあげています。ベースはコットンなので、タオル全体では、バンブーレーヨン75% 、オーガニックコットン25%ですが、バンブーレーヨンの特徴をしっかり感じることができます。
接触冷感もあるので、夏場の肌掛けにしたり、ヨガマットとして利用する方法もありです。家事の助けにもなる機能を備えているので、忙しいご家庭への贈り物としても最適です。
価格:5,060円(税込)
バンブーレーヨンの光沢感を生かしたブランドタオル
今までにはなかった色のタオルをつくりたいとかんがえるメーカーの多くが、バンブーレーヨンに注目しています。
鮮やかに染まり色落ちしにくいので、カラータオルをつくる上で有効な素材。コットンとバンブーレーヨンは染色にかかる時間が違うので、一緒に織りこんで同じ染め方をすると、細かな色の濃淡ができるといいます。また、コットンとバンブーレーヨンは、光沢感も違うので色の濃淡と合わせて生地に立体感を生み出すことが可能になります。
従来のコットン100%では表現できなかった、うつくしい色彩のタオルをつくることができるのです。バンブーレーヨンを加えることで軽さや乾きやすさも生まれますが、とくに色表現のためにバンブーレーヨンの配合にこだわっているタオルブランドをご紹介します。
ヒポポタマス
「ヒポポタマス」は、2007年にスタートしたタオルブランドで、今までになかった色を追求するところからはじまり、濃く鮮やかなカラーバリエーションを表現するために選ばれたのがバンブーレーヨン。
パイル部分はバンブーレーヨン50%、オーガニックコットン50%で織り混ぜられていて、それぞれの糸の染まり具合の違いから、深みと光沢感のあるヒポポタマスカラーが生まれます。
タオル全体では、バンブーレーヨン 37%、オーガニックコットン 63%の配合で、ふんわりと軽く手ざわりのやさしい、吸水性の高いタオルになっています。色にかける想いは強くゴッホやモネ、ゴーギャンの絵画の色彩を移しとるなど、ストーリー性のあるカラー展開になっています。
1枚だけでも存在感のあり印象的なので、大切な人へ贈りたくなるタオルです。
価格:9,900円(税込)
OLSIA(オルシア) 2couleurs(ドゥコロール)
今治タオルメーカー「丹後」のオリジナルブランド「オルシア」は、「しあわせを織る」がコンセプトの新鋭のタオルブランド。新しいセンスで、生活にしあわせプラスするようなスタイリッシュなタオルをおくりだしています。
バンブーレーヨンを使用しているシリーズは「2couleurs(ドゥコロール)」は、フランス語で、「ツートンカラー」を意味します。2つの色で「LOVE」を表現したという、デザイン性の高いバスタオルになります。
バンブーレーヨン40%、コットン60%となっており、色のひとつひとつにこだわりを感じますし、フランス語で名づけられた名前もとてもロマンチックです。
青と紫の「Tango des deux(タンゴ デ ドゥー)」の意味は「2人のタンゴ」。他にも、「昼も夜も一日中」「人魚の物語」などがあります。光沢感のある色の組み合わせとステキなネーミングで、新婚夫婦へのプレゼントや、結婚記念日の贈り物にぴったりでしょう。
価格:7,700円(税込)
イケウチオーガニック バンブー540
「イケウチオーガニック」が自社の定番カラーになかったものをというテーマを追求し、素材えらび、配合までをすべてを研究しつくしておくりだしたのが「バンブー540」。
ガーデンから着想を得たという8色のビビットカラーがつくられています。バンブーレーヨン37%、オーガニックコットン63%という配合で、綿糸は40番手・双糸、レーヨンは20番手・単糸と、細部にまでこだわって織り交ぜられています。
鮮やかな色に加えてしなやかで軽く吸水性も高い良質なタオルとして、メディアにとりあげられ注目が高まっています。たくさんの種類があるイケウチオーガニックなので、タオル好きのあの人に使い比べてもらえるよう、パイルの長さなどが近い100%オーガニックコットンの「オーガニック520」とセットでプレゼントするのもステキですね。
価格:9,350円(税込)
まとめ
現在タオルギフト業界で流行中のの集まっているバンブーレーヨンをつかったタオルについてご紹介してきました。
各メーカーが競って、さまざまなタオルを生みだしているので、これからも目の離せない素材になるでしょう。環境にやさしく縁起のいい竹を原料としたバンブーレーヨン配合のタオルは、コットン100%のタオルとはちがった良さがあり、贈り物として注目されています。今までの質感とは大きく違った新しいタオルになりますので、タオルギフト選びで迷ったら候補に入れてみてください。