タオルは正しい使い方をしていても徐々にゴワゴワになってしまいます。
今回は使っているうちにゴワゴワになってしまったタオルや雑菌の香りがついてしまったという方のための手順を紹介します。
私は長く企業で研究員をしていたこともあって、科学的な考え方で細かい工程を組むのが得意なのです。以下のポイントでタオルのケアをしていきます。
ポイント
- 殺菌・除菌の工程
- クレンジング工程
- 糸の表面処理工程
- パイルの最適化処理
タオルの使い心地を維持するメンテナンス方法として、参考にしてみてください。
自宅でできるタオルのメンテナンス手順
ふわふわで清潔なタオルにするために必要な工程を示します。重要度は最大が「★★★」、やった方がベターというものになるにつれ「★★☆」、「★☆☆」と優先度が下がります。
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0洗濯機を綺麗にする【重要度★★★】
タオルのメンテナンスを始める前に、非常に重要な手順があります。
それが、洗濯槽クリーナーで洗濯機を消毒する工程です。
タオルの臭いやカビの大きな原因のひとつは、洗濯機の汚れをタオルに吸着させてしまうこと。少なくとも1~2ヶ月に1度は洗濯機の中の雑菌を少なくするようにしましょう。
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1タオルの殺菌消毒【重要度★★☆】
※この工程は臭いがない場合には不要です。その場合にはSTEP3からお読みください。
タオルに熱湯をかけて、除菌・消毒を行います。鍋にいれて煮沸消毒をする方法もありますが、ぐつぐつ煮込むと色の染料が抜けたり、コットンの劣化につながります。
バケツに少量のタオル(バスタオルなら1枚ずつが理想)をいれて、熱湯を注ぐのがオススメです。雑菌は60℃以上で死滅します。熱湯から冷めていく時間で少量のタオルなら十分に除菌ができるのです。
タオルは熱湯に浸るほど大量に必要というわけではなく、5分程度湯気が表面から出ている程度に濡れていれば大丈夫です。
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2タオルの漂白【重要度★☆☆】
※この工程もタオルの臭いがない場合、カビや黒ずみなどがない場合には不要です。STEP3からお読みください。
タオルの色落ちを抑えながら、漂白していきます。
使用するのは酸素系の漂白剤。
界面活性剤や蛍光剤を含まない漂白剤です。過炭酸ナトリウムという物質なのですが、これは、水に溶けると炭酸ナトリウムと過酸化水素に分離します。水にとけると昔から洗濯ソーダとして古くから洗濯に良く使われる物質と過酸化水素に分かれます。この過酸化水素というのが漂白成分。
過酸化水素は薬箱に入っている消毒液でオキシドールとして殺菌消毒に使われている物質で、分子レベルで黄ばみ成分を分解できます。
溶かしたときにアルカリ性になるように調整された専門のものらしい商品もありますが、単一成分の過炭酸ナトリウムの方がつけ置きにはオススメ。
漬け置いた液は弱アルカリ性となっていますので、後ろの工程になる前に軽くすすいでおきましょう。
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3タオルの深い部分の皮脂汚れを落とす【重要度★★★】
タオルの深い部分にある、通常のお洗濯では落としきれない汚れを落としていきます。ちょうどお化粧でいうディープクレンジングです。
皮脂汚れを落とすための最適な温度である、30~40℃の洗剤入りのお湯につけ置きしましょう。STEP2の黄ばみを落とす工程が必要なかった方は、STEP1の湯冷ましに洗剤を入れてもOKです。
熱湯に洗剤を入れた方が、洗浄効果は高いのですがこれもコットンへのダメージを抑えるために、控えめの温度にしています。洗剤入りのお湯に漬かったら、温かいうちに5~10回押して洗剤をタオルに吸わせます。
つけ置き洗いの時間は、1時間を目安に。
ちょうどお湯がお風呂の温度からぬるいお水程度に下がったころにとりだして、かるく押し絞りでタオルのお水を抜いておきましょう。
ちなみに、質の良いタオルのメンテナンス用の洗剤としては、ウタマロリキッドがおすすめです。糸の奥まで洗えている感覚があります。おしゃれ着対応の液体中性洗剤なら、洗いムラも抑制できます。
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4洗濯機で柔軟剤&すすぎ【重要度★★★】
STEP3で汚れは落としてあるので、洗濯機をつかってすすいでいきます。ここでのポイントは、たっぷりのお水ですすぐこと。
特にドラム式の洗濯機の場合には少ないお水で洗うので、タオルに摩擦が起こりがち。少ないタオル量ずつのメンテナンスにして、タオル一枚に対する水量を多くして洗剤と汚れを流していきましょう。
そして、絡まってしまったパイルを解くために少量の柔軟剤をここで加えます。
すでに洗剤で汚れは落ちる状態にあるので、この工程での洗剤投入は不要です。柔軟剤のみでOK。
通常のお洋服の柔軟剤の使用適正量の5分の1~3分の1で『洗い(柔軟剤付与)⇒すすぎ2回』
注意
使い始めのタオルやタオルの寿命をのばすために柔軟剤は本来は使用しない方が良いとされます。ただ、長く使っているとタオル生地のパイル同士が絡んで、フワフワ感が失われてくるのも事実。
月に1度程度のメンテナンスなら、快適に使うためには使って良いです。長持ちさせることも重要ですが気持ちよく使い続けることを重視しています。
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5洗濯機でしっかり脱水【重要度★★☆】
脱水をしっかりやっていないタオルは、パイルが横倒しになった状態で乾燥されてしまうので、フワフワ感はでてきません。
ここで湿り気を感じる程度まで脱水できると乾かしたときに空気をパイルに含ませやすいのです。
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6バタバタといつもよりも振る【重要度★★★】
タオルの端をもって、20回~30回バタバタとタオルを振りましょう。
この工程で水分を乾かしてしまうイメージで、タオルの中に空気を入れてあげましょう。この工程でパイルが立ち上がってきます。
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7半乾きの状態まで陰干し【重要度★★☆】
フワフワに乾かすためには、天日干しをしてはいけません。
太陽が直接当たらない、風通しの良い場所でのんびりと乾かすのが良いです。
後の工程のために、やや湿り気が残っているくらいの乾かし具合いで取り込みましょう(陰干し30~45分で十分でしょう)。
※完全に乾かした場合には、この工程で完了としても大丈夫です。
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8乾燥機で仕上げる【重要度★★★】
最終工程として、乾燥機でうっすら湿っているタオルを完全乾燥までもっていきます。
乾燥機は湿った状態で行うと、糸へのダメージが大きくなるのですが、短時間で乾かす分にはフワフワ感を復活させるのに役立ちます。
乾燥器に入れて温風を当てる時間は30分程度で良いです。
フワフワ系のタオルのゴワゴワを復活させてみた
撚りが甘くて、パイルの毛足が長いフワフワ系のタオルは、大雑把に洗うと上のように糸が絡まったゴワゴワ状態になりますよね。
これを上の方法で自宅メンテナンスをしてみました。
左がメンテナンスをする前のパイルの拡大写真、右側がメンテナンス実施後のパイルの状態です。
メンテナンスを施すことで、パイルの絡まりがほどけていることがわかると思います。しかも、全てのパイルが牧草が生えるようにしっかりと上を向いています。
よりパイルを元通りにしたいときには、
- 柔軟剤の量を増やす
- 乾燥機の時間を増やす
この2点が考えられますが、タオルの劣化を早める方向の動き。ご自身で使った感覚で、フワフワの復活が足りないと思ったときに調整してみてください。
まとめ
今回は自宅にある洗濯機を使って、ゴワゴワになってしまったタオルにフワフワを取り戻させる方法についてお伝えしました。
しっかりと除菌工程を加えることで、余計な黒ずみや黄ばみなどを抑えながら長く快適なタオルが持続すると思います。
メンテナンスの頻度としては1ヶ月から2ヶ月に1度でよいと思いますが、ゴワゴワがどうしても苦手という場合には重要度の高いものだけでも実施してみてください。