世界最高級コットンであるシーアイランドコットンをご存知でしょうか。
実は、海島綿とも呼ばれるシーアイランドコットンは、カリブ海地域の4か国というごく限られた地域でしか栽培されない「幻のコットン」。栽培条件が非常に厳しいのですが、それだけに肌触りは格別なものになるといいます。
今回はそんなシーアイランドコットンの特徴とそれを使用したタオル。また、シーアイランドコットンと近い特徴をもつアメリカン・シーアイランドコットンを材料に使用したタオルについて紹介していきます。特に最近では国産で上質なタオルが増えてきていますので、良質なタオルを触りたい方は是非チェックしてみてください。
シーアイランドコットン(海島綿)とは
シーアイランドコットンは数あるブランド綿の中でも最高品質に位置づけられます。もちろん超長綿という繊維の長い種類の品種となります。
まず注目すべきはその希少性。一般的に高級なコットンに属する超長綿は全綿花の僅か1.7%の収穫量。シーアイランドコットンはその超長綿全体の中でも0.01%の収穫量という、コットン界のサラブレッドとなる素材なのです。綿花全体からみると、なんと0.00017%。
・・・想像できないほど、希少って事です。
しかも手摘みでしか収穫できないとあって、本当にお手間のかかったコットンなのです。
シーアイランドコットンの特長
タオルにするのに最上とされる、シーアイランドコットンの特徴を簡単にまとめてみました。
ポイント1 繊維長
超長綿の中でも特に繊維が長いのがシーアイランドコットン。糸となる時に少ない本数で撚ることができて、繊細なさわり心地が実現します。
また、繊維が抜けにくく、繊維の端が表に出ている数が少ないために、滑らかさにつながります。これによって絹のようにサラっとした感触を味わえるタオルに仕上がるのです。
ポイント2 光反射率
シーアイランドの表面はとても美しい上品な光沢があります。輝いて見えるのは、繊維の表面が滑らかで毛羽立ちが少ないという意味。
これを示す数値が光の反射率で、大きいほどに光沢があると感じられるのです。シーアイランドコットンは反射率に優れていて、白がより白く見えるという特長があるのです。
ポイント3 強度
コットンの繊維の強度は糸を細くするために重要な要素。普通は繊維の太さが細いほど1本当たりの強度は低くなります。
シーアイランドコットンは繊維が長くて細いのにも関わらず、通常のコットンの基準で強いと判断できるだけの強度も併せ持っています。繊維の太さが均一なのも強度アップのために重要な要素なのです。
最近ではシーアイランドコットンは海を渡り、アメリカ合衆国のフロリダ州やジョージア州、南カロライナ州などで栽培されています。今回はシーアイランドコットンと、似た品質をもつアメリカン・シーアイランドコットンが使われているタオルを紹介します。
シーアイランドコットンが使われるタオル特集
特に国産タオルとして人気のあるブランドから、使い心地抜群の最上級タオルを紹介します。まずは、アメリカン・シーアイランドコットンを使用したタオルについて紹介していきます。
TRUE TOWEL「MSOK」
国産タオルで最も有名なブランドといえば今治タオルですよね。数多くの今治タオルが販売されていますが、実はご当地で今治の今治タオル工業組合が運営する「テクスポート今治」にて殿堂入りという評価がなされたタオルがあります。
それは『すごいタオル』という商品。
そして、このタオルを製造する実力派タオルメーカーが最上級のタオルのために選んだのが、アメリカン・シーアイランドコットンという素材でした。そのコットンを使って作られた糸で織られたのが、TRUE TOWEL「MSOK」というタオルなのです。
シンプルなデザインですが、最強のタオルを作ることができるメーカーが最上の材料を使って織ったのですから、このタオルは至高の逸品なのです。
実際に使ってみると、吸水力、さわり心地、ちょうど良いボリューム感。本当に究極を目指したかったのだなと作り手の心意気を感じます。
バスタオル価格:15,000円(税込)
sara-la「礼-rei-」
贈り物に使いやすいタオルを提供するsara-la(さらら)。
今治タオルのなかでも目上の方に贈りやすいラインアップがあります。このsara-laもアメリカン・シーアイランドコットンを使ったタオルを販売しています。
そのシリーズは「礼-rei-」シリーズといい、見た目の美しさとさわり心地にこだわったタオルに仕上がっています。贈り物としての風格を感じさせるギフトボックスも魅力的です。
ちなみにこのタオルは、まるでブルゴーニュワインのようにひとつずつにシリアルナンバーがついています。希少価値のあるコットンを使用しているだけのありがたみを感じます。カラーはピンク、グレーの2色。
価格:11,000円(税込)
ホンキのタオル 晃(KOH)
GOLDPEARLの作る最高級グレードのタオル、これがホンキのタオル「晃(KOH)」です。「晃(KOH)」にもアメリカン・シーアイランドコットンがパイルに使用されています。
シルクのような輝きと優しいタッチは、さすがに良い材料を使っているだけのことはあります。
白いシンプルなデザインですが、端の部分にアクセントとなるストライプの凸凹が付与されている工夫がみられます。素材の感触を深く味わって欲しいというメーカーさんからのメッセージですね。
価格:11,000円(税込)
ここまでで紹介したものがアメリカン・シーアイランドコットンのタオル。以下は、シーアイランドコットンのものを紹介します。
UCHINO 「レジェンド」
繊維の宝石海島綿「レジェンド」という名前で販売されるUCHINOの最高級タオルもシーアイランドコットンのタオルになります。
シーアイランドコットン(海島綿)は希少性が高いことで価値があるのですが、その中でも「V-135」という綿花の頂点ともされる高品質の素材が使われているのです。
品質の高さの指標となる繊維長さは40mm前後と通常の平均22〜28mmからすると、倍程度には長い繊維であるのが特徴です。超超長綿と表現するほうが良いレベルのコットンですね。
この素材だからこそ実現できる120番手という超極細の糸で織り上げられたタオルは、これ以上ないほどの繊細なタッチが感じられるといいます。非常に高価なものですが、コットンは生ものですので届いたらすぐに使い始めましょう。
価格:143,000円(税込)
アメリカンシーアイランドコットンとシーアイランドコットンの違い
シーアイランドコットンとアメリカン・シーアイランドコットンは両方とも栽培される地域や栽培量などが制限されている価値の高いコットンとなります。どちらも肌触りや吸水性、強度の点では非常に近いものがあるとされます。
ただ、シーアイランドコットンの方がより希少性が高く、やや価値は高く評価されているのが違いとなります。
具体的にはシーアイランドコットンの年間収穫量は、約200~500トンで推移。一方のアメリカン・シーアイランドコットンの収穫量はというと、約1,500~2,500トン程度となります。アメリカンシーアイランドコットンの方が5~10倍の収穫ができるという環境にあるのですね。
とはいえ、それぞれに最上級の品種であることに変わりはありません。お手ごろ価格で最上素材のタオルを使ってみたいという場合には、アメリカン・シーアイランドコットンは魅力的な優秀な素材となるのです。
まとめ
コットンの中でも最上級の品質でしられるシーアイランドコットン。今回はアメリカン・シーアイランドと合わせて紹介しました。どちらもタオルに使う素材としては最高レベルの素材で、実際に素晴らしいさわり心地が表現されます。
過去には素晴らしすぎる肌触りと希少性ゆえに英国王室で使用され、200年間このコットンが門外不出となるほどの材料。美しくて光沢を感じられるという、見た目にも贅沢なタオルになるのです。
初めて触れたときには、瞬間的に他のタオルとは違う感覚を味わえることでしょう。
このような素晴らしい材料が日本に上陸し、優れた製造技術でタオルに仕立てられる時代となりました。過去このような組み合わせになったことはないでしょうから、歴史的に見ても最高レベルのタオルということ。是非奇跡の1枚を見つけてみてください。
今回紹介した中でデザイン性などバランスが良いのがTRUE TOWELの「MSOK」、本家シーアイランドコットンのものならば、お値段は張りますがUCHINOの「レジェンド」がおすすめです。