日本人で民間人初の宇宙ステーション滞在について話題になっていますね。実業家として有名な前澤友作さんが命をかけて、人生を謳歌している姿はなかなか心を打つものがあります。
宇宙の無重力空間での生活について、少し身近に感じられるようになったという方も少なくないのではないでしょうか。
宇宙での生活は、重力を感じられる地球上のものとは大きく違うという認識ができたというのも大きいですね。
宇宙ではタオルって使えるの?
では、タオルは宇宙の無重力空間で使えるのでしょうか。
フワフワお水が浮いてしまう位ですから、タオルに吸収されたお水も出て行ってしまうのではと考えたりもしますよね。
実はこの答えを、宇宙飛行士の野口聡一さんが宇宙基地のISSで撮影された動画内で答えを出してくれています
この動画の内容は「水で遊ぼう」というもので、無重力でお水を浮かべて遊んだり、その水の球にシュワシュワする発泡剤を入れたらどうなるかといった実験をしているものでした。
この動画の4分10秒から、浮かべた水を除くためにタオルを使っています。
無重力でもタオルは機能する
動画を視聴してもらうとよくわかると思いますが、無重力で浮いている水の玉にタオルを当てると、お水は最初タオルにまとわりつくようになります。
そして、外側にあった水は徐々に吸収され、水がタオルの中に浸透していきました。
無重力でもタオルは問題なく使用できる
ということがわかります。野口聡一さんの動画は他のものも面白いので見てみると勉強になります。
タオルに水が吸収される理由
無重力状態でもお水とタオルが触れているだけで、水がタオル内部に移動する。
水が移動するための駆動力は「毛細管現象」。
聞いた事がある方も多いかもしれませんね。
気になる人は以下の論文をみるともっとわかるかも
⇒毛細管現象に関する論文へ
上でリンクを貼った論文を見ると、水の表面張力のほかにも影響する原因がある事がわかります。
- 水との親和性(ぬれの接触角)
- 空気の層の狭さ
この2つです。無重力でも問題なく吸うということがわかります。
また、この2つの要素がぴったり整えられているものが吸水速度が高いタオルということになるのです。
水との親和性が高くなるには、主に使われる糸の素材と構造が大切ですね。親和性が高いということは、お水がはじきにくい繊維を使うということ(コットン、ポリエステルなどの材質)。凸凹していたり、繊維が細いとお水との親和性はアップします。
また、糸の撚りは強めの方が空間が狭いので吸水の速度と保持する力が高いということがわかります。(空気がなくなるくらいギチギチはもちろんNG)
宇宙で求められるタオルって
宇宙の無重力状態でもタオルは使えることがわかりました。では、実際に使うとなったときに必要になる特性上の条件について考えてみました。
①軽い
宇宙に持っていくものは、しばらく先までは最低限の重量でなければなりません。
宇宙での過ごしやすさの為に、ずっしり重たい高級ホテル仕様のものなんて。まだまだ先。飛ばすのだけでも、あのレベルのエネルギーですしやむを得ません。
まずは軽いことが何より大切になっていくでしょう。
②乾きやすい
①の軽いと同じように、何枚も持っていけないということは、繰りかえし同じものを使う必要があると想像できます。
水を吸収したものをすばやく乾かすことができる機能。これも必須でしょうね。
③絞って水が抜ける
無重力ではお水は置いておくと、蒸発するまでは球状になって漂ってしまいます。
そのため、お水を絞ってバタバタと乾かすというのが難しいように感じました。
そこで、ホース付きの密閉できる袋を準備してもらい、その中で絞って吸ってもらえば不要なお水を取り除くことができると思うのです。
そのために軽く絞っただけでも、多くの水が出ていくという機能があると喜んでもらえるのではないかと思います。
まとめ
今回は宇宙でタオルを使えるのか、そして宇宙で求められるタオルとはについて考えてみました。
宇宙飛行士の野口さんのおかげで、無重力状態でもタオルは使えるということがわかりました。
また、宇宙がより身近になった現代ですから、是非次の時代へ向けて新しい技術を生み出して欲しいと願います。