皆さんのおうちでの食器やふきんの漂白ってどうしていますか?
わが家はこれまで、ハイターとかキッチンハイターなど液体塩素系漂白剤を使ってきました。
ただ、漂白・除菌力が高いのはわかるのですが、塩素系の次亜塩素酸ナトリウムと強アルカリの水酸化ナトリウムという強すぎる薬品が使われているのが気になりますよね。
実際肌に触れるものや口をつけるものには、なかなか使おうという気にはなれずにいたのです。
環境に優しい、気持ちいい漂白剤はないものか
食器やタオルにピッタリの環境にも身体にも優しい漂白効果のあるものを探してみました。
すると、こんな商品が人気という情報。
ご存知の方もいらっしゃるでしょう。「酸素系漂白剤」という種類の漂白剤であるオキシクリーンという製品。お湯に溶かして漬けおきするだけで、ハイターのように漂白できちゃという人気商品。
実際に私も薬局に買いに行ったのですが、成分をみると
オキシクリーンの成分
- 過炭酸ナトリウム(酸素系)
- 界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
- アルカリ剤(炭酸ナトリウム)
この3種類だといいます。
この内容をみて、元科学者のわたしは気になります。
「漂白だけなら過炭酸ナトリウムだけでいいのでは?」
入っている界面活性剤は普通の洗剤にも使われる成分ですが、これは泡立ちを目立たせるという視覚効果への影響の方が大きそう。また、炭酸ナトリウムと書いてありますが、主成分である過炭酸ナトリウムの原料が炭酸ナトリウム。アルカリ剤といえば何か効果ありそうですが、純度の低い過炭酸ナトリウムに見えてしまうのです。
今回は、なるべく環境に優しいを狙っていますので、界面活性剤の入っていない「ピュアな過炭酸ナトリウム」の漂白効果についてみていきましょう。
過炭酸ナトリウムと重曹の漂白効果検証
環境に優しい漂白効果のあるお掃除アイテムとして忘れてはいけないものとして重曹があります。
こちらはより一般的なものですので、今回は過炭酸ナトリウムと重曹の漂白効果の違いについて比較してみました。
漂白効果の検証法について
今回の2種類の漂白効果の検証実験は、湯のみについたコーヒーとお茶の茶渋を使うことにしました。
結婚の時にいただいた絵付けされた九谷焼ということもあって、なんとなく塩素系漂白剤にかけることができず、最近はアイスコーヒー用として使うことが増えている陶器です。
上の写真のように夫婦湯のみはどちらも、白い部分が茶色くなっています。
重曹と過炭酸ナトリウムについて、袋の裏側に適正量が書いてありました。ただそれぞれ量が違うのも難しいので、今回は同量での比較にする事にしました。
- 湯のみ 1杯(約150mL)
- 粉 小さじ2分の1
小さじ2分の1というと、ちょうどティースプーンに軽く1杯くらいでしょうか。どちらも溶ける量は限られるので、かなり適当でいいと思います。楽でしょう。
40~50℃が適温ということですが、今回はもっと熱いものを入れました。
ちょうど煎茶を入れるくらいの温度、70~80℃位のお湯を粉を入れています。より穏やかに漂白したい方や色おちの可能性があるものは、メーカー推奨の条件を使ってくださいね。
お湯を入れたら少し混ぜて、静かに待つのみです。
重曹はわずかに泡も落ち着いている溶液
お湯を入れて混ぜた直後の重曹の入った湯飲みは上のような状態でした。
重曹はすべては溶けておらず、下に沈んでいます。よくみるとプツプツと出ていますが、これは二酸化炭素ですね。
過炭酸ナトリウムはシュワシュワ
過炭酸ナトリウムは重曹よりもシュワシュワと激しく泡が出ていました。
この泡は漂白成分である過酸化水素が分解してできた酸素です。
30分漬けおき後の漂白効果
30分漬けおきした後の湯飲みの状態です。
左側紫色の絵が書かれているのが重曹、右側のピンクの花が描かれている方が過炭酸ナトリウムで漬けたものです。
『過炭酸ナトリウム水溶液の漂白効果は非常に高い』
驚くほどに効果が高いことがわかりました。
好きな方には申し訳ないけれど、純度が高くてお値段も安いピュアな過炭酸ナトリウムの方が売られている酸素系漂白剤商品より優れているのではと思ってしまいます。
少なくとも私はすでに感動レベルの漂白効果を感じました。
また、古くからその効果が知られる重曹も見た目こそ効果がないようにみえますが、やはりなかなかの実力。
上の写真のものも茶渋は浮いてきているので、木綿の付近などで拭取ると完璧とはいきませんが茶渋がだいぶ取れました。重曹は漬けおき用が正しい方法ではなく、拭取り前提で行うものということです。
便利で環境に優しいけど一応、注意点を
今回の過炭酸ナトリウムは、環境に優しいという点で非常に便利なものなのは間違いありません。
ただ、環境に優しいからといってそのまま口に入れるのはNG。弱アルカリ性の化学薬品であるには違いないのです。すすぎはしっかり行いましょう。
また、過炭酸ナトリウムは酸素を発生させるものになりますので、密閉容器に入れるのはダメです。分解して劣化するのは仕方ないと思うくらいの付き合い方をしましょう。あとは、この手の薬品は大量にストックしないということも大切です。
これは、オキシクリーンにも言えること。使う分をこまめに購入する方が、安全にしかも漂白効果を得られるのです。
まとめ
今回は環境に優しい漂白剤として「酸素系漂白剤」、その成分である過炭酸ナトリウムを使って器の漂白を行ってみました。
湯のみの場合、200mLに対して小さじ1杯程度の過炭酸ナトリウムに、お湯を入れて30分でピカピカになるほど茶渋が取れました。
今後はコットンや麻のタオルについても、漂白効果や色落ちしないかについて調べていきますので、気になる方はまたチェックしに来てくださいね。