環境を気にする方が最近よく目にするフェアトレード。
作り手にも優しいというイメージはあってもよくわからない部分も多いと思います。今回はフェアトレードの仕組みとそのメリットについて解説していきます。
フェアトレードって何?
皆さんが日用品を購入するときに、どれを買うかを判断する材料となっているのは『品質と価格』。まずは、この2つになると思います。
フェアトレードとは、これらにプラスして生産者や環境に対して優しいかどうかという新しい購入判断の基準となるものだと思ってよいでしょう。
従来の取引の場合、農産物はもちろん農家さんが作ってくれるものですが、価格を決めるときに生産者の影響力が低いところに問題がありました。農家さんが作っているのに生活が苦しいという方がいるということです。
なかなか利益を出すことができないという方々がいたり、中には強制的な過酷な労働が行われていると懸念されている地域もあったりと。これが現在の社会問題のひとつとなっているのは、ご存知の方も多いでしょう。
フェアトレードのメリットについて
フェアトレードの制度導入によって、生産者には価格保障がついたり、新しい設備導入の手助けを受けてもらうことができたりするようになります。
生産者へ利益を分配できるようになることで、過度な品種改良や農薬を使った栽培や飼育を防止することにつながります。
様々なフェアトレードの種類がありますが、たとえば国際フェアトレードラベル機構(FLO)による認証では、遺伝子組み換えは禁止されていたり、農薬などの化学物質の使用制限などにも配慮がされることになります。
農家さんの利益だけでなく、私たちの身体やさらには環境へも優しい仕組みとなるのです。
フェアトレードの認証対象品って?
フェアトレードの認証対象となっている品目は、世界の人々の生活に密着したものが現時点では多いです。
たとえば、コーヒー、紅茶、カカオといった嗜好品、スパイス・ハーブ、砂糖などの調味料があります。
他にも大豆、蜂蜜、ナッツ類、果物、切花などがあります。
フェアトレードのタオルが分類されるのはその中でも「コットン製品」。タオル以外にも衣類に使用されるので非常に重要な農作物ですよね。
フェアトレードのマーク
左のマークが、国際フェアトレード認証されたものだけが付けられるラベルです。
原料が生産されてから、輸出入、加工、製造と多くの工程が必要となりますが、各工程で監査機関によってその基準が守られているかを判断されます。
こうして認められたもののみが「フェアトレード認証製品」として認証を受けて消費者へ渡ることになります。
フェアトレードの種類は?
「フェアトレード(FAIRTRADE)」という名称は、上で紹介した国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International;FLO)が定めるもののみとなります。
ただ、生産者への差別や搾取などがなくなるようにという認証機関は他にもあります。タオルに限定して、その主な種類を紹介していきましょう。
ちなみに英語で「FAIRTRADE」と表記されるのがFLOのものなのですが、その他機関が発行している認証などで似たコンセプトのものは「Fair Trade」とスペースを入れて表現されます。カタカナだと同じになってしまうので難しいですね。
⇒詳しく知りたい方は、フェアトレードジャパンの公式HPで確認してみてください。
世界フェアトレード連盟(WFTO)
世界フェアトレード連盟(World Fair Trade Organization)は1989年に結成された国際的なネットワークのこと。
WFTOに加盟している生産者団体や販売団体が原材料から生産までを、定められた「フェアトレード10の指針」を守っていることを証明するものとしてラベルが付与されます。
オーガニックテキスタイル世界基準(GOTS)
オーガニックテキスタイル世界基準(Global Organic Textile Standard;GOTS)は、オーガニックの繊維製品の基準。認証マークはシャツをイメージしたデザインです。
この基準は、有機栽培の原料を使用して環境を守ることを意識されたものです。
オーガニックコットンが使用されているタオルで見かけることがあります。タオルだけでなく、糸、生地、衣類など広い意味での繊維原料製品が対象となっています。
ウールやコットン、絹などの原料繊維がオーガニックであることだけではなく、加工や製造の段階でも一般製品との混合や汚染がないように管理されていることを示すものです。
基準としては原材料の70%以上がオーガニック繊維であることが必要となります。その他には、加工処理がオーガニックな方法で行われている事、遺伝子組換え技術を使用しない事、水・エネルギー使用に目標を設定している事など。
第三者による審査・認証を受けることが求められ、厳しい基準となっています。
Organic Content Standard(OCS)
オーガニックテキスタイルのためのOrganic Content Standard認証はオーガニックコットンを選んでいる方には特に多く目にするマークかと思います。
フェアトレードとはコンセプトは違いますが、地球の環境と消費者の安全のことを考えるという意味では同様の効果があると思います。左のマークは原料は95%以上がオーガニックであることを示す「ORGANIC 100」。
原料の収穫はもとより、製品ができるまでの保存を含む全ての工程で、製品の混合や汚染がないように作られていることを保証する基準となります。
フェアトレードのタオル
フェアトレード(FAIRTRADE)の認証を得ているタオルを紹介します。ここでは、国際フェアトレードラベル機構が定める基準を満たすものとしてラベルがついているタオルについてまとめてみました。
【TANGO Inc.】ICHIMATSU
セネガルで作られたオーガニックコットンで作られたタオル。
今治のタオルメーカーが作っている、環境に優しいタオルの代表格と言ってよいでしょう。生成りで綿花そのものの魅力を引き出しながらも、ヘム部分を市松模様の織りで表現するデザイン。環境によいものだけを使いながらも、可愛らしさもあるタオルですね。
国際フェアトレード認証ラベルもしっかりついています。
【Hotman】1秒タオル モンテ
吸水力が高いことで知られる1秒タオルのシリーズのいくつかも国際フェアトレード認証を受けているアイテムがあります。
シンプルなデザインのタオルとしては「モンテ」と「フィット」があります。
1秒タオルのモンテは、タオルに凹凸がついているタイプのデザイン。太目の糸が使われており、表面の状態も合わせてしっかり肌触りのタオル。刺繍入れサービスなどもあり、名入りのタオルギフトにも便利です。
まとめ
今回はフェアトレードと、フェアトレード認証されたタオルについてお伝えしました。
生産者にしっかり対価が支払われることによって、農薬や遺伝子組み換えなどが過度に使われることがなくなります。最終的には、自分たちの健康をも守ることができるシステムだということがわかりましたね。
地球と自分に優しいタオルのときの選び方として、オーガニックやフェアトレードを意識してみるのもよいかもしれません。