健康診断などで血圧を測定すると年齢に関係なく、案外高めに測定される方はいると思います。ちょっとイライラしすぎているかなと反省するかもしれませんが、血圧が高いから怒りっぽくなっていることもあるんですよ。
そのため、血圧をできるだけ正常な値に保っていくことが大切です。
今回は手軽に血圧を抑える効果があるという、タオルを使った簡単な体操「ハンドグリップ法」をご紹介しましょう。必要なものはタオルだけということですので簡単にできます。血圧が下がる理由と、具体的な方法をお教えします。
ハンドグリップ法とは?なぜ血圧が下がる?
タオルを使ったハンドグリップ法で血圧が下がるとされる理由と、具体的なやり方についてみていきましょう。
ハンドグリップ法で血圧が下がる理由
「ハンドグリップ法」とは、タオルを握るという運動で、体内に一酸化窒素を発生させて血圧を下げるという健康法です。
カナダのマクマスター大学のフィリップ・ミラー博士教授が提唱した健康法で、日本ではテレビの人気番組で紹介されて一気に広まりました。やり方はごく単純な体操なので、時間も必要ないです。年齢によらずできる上、血圧低下の効果はかなり高いとされています。どうして血圧が下がるのか、そのやり方と仕組みを見ていきましょう。
ハンドグリップ法はタオルを握る、離すという動作をするだけ。
動作を繰り返すうちに体内に一酸化窒素(NO)が作られて、血管を広げる作用があるのです。また、足の裏が第二の心臓と呼ばれることがありますが、同様に末端部である手のひらを圧迫することで血流循環をよくする事ができるのです。
ハンドグリップ法をおこなった後には、一時的ではありますが一酸化窒素の量が増えて血管が広がることで血流が改善されます。楽に血液が循環することになるので、心臓は高い圧力で血液を押し出す必要がなくなり、血圧が下がってくるという仕組み。
つまりハンドグリップ法とは、簡単な動きで体内の一酸化窒素を増やす→血圧を下げるという健康法なのです。
ハンドグリップ法のデメリット
タオルを使ったごく簡単な運動だけでいい「ハンドグリップ法」。デメリットはないのでしょうか?
あれほどシンプルな体操で血圧が下がるなんて夢みたいと思うでしょうが、弱点もあります。
それは、「ハンドグリップ法で下がった血圧は、体操をつづけているあいだしか下がらない」という点です。
「ハンドグリップ法」では、一時的に体内の一酸化窒素を増やして血流を良くする方法。この効果は永続的なものではなく、あくまでも体操をしたあと限定的な効果。「ハンドグリップ法」をやめてしまえば、また血圧は元どおりに上がってしまいます。
継続的に体操を続けなければ血圧降下も続かないというのが、ハンドグリップ法の欠点です。この方法は始めてから1か月程度が経過しないと、継続的な血圧の変化は見られないようです。急激に血圧を変化させるのは身体にも負担になるので、急激な効果を期待せずに身体に優しいエクササイズと考えるのが良い付き合い方になるでしょう。
ハンドグリップ法の注意事項
それでは「ハンドグリップ法」を始めるときに注意しておきたいこともお伝えしておきます。
それは「重度の高血圧の場合は、主治医と相談の上で始めましょう」ということ。
ここでいう重度の高血圧とは180mmHg/110mmHg以上の人です。心当たりがある人は、ハンドグリップ法を始める前に必ず主治医と相談しましょう。
ちなみに体内の一酸化窒素を増やす方法は、ハンドグリップ法以外にもたくさんあります。手軽な方法としては、荷物を背負ったり坂道を歩いたりする「負荷高めのウォーキング」や「つま先立ち運動」などです。主治医を相談をしながら、ハンドグリップ法と合わせて、いろいろな方法を試してみるのがおすすめです。
ハンドグリップ法のやり方
それでは、具体的なハンドグリップ法のやり方を見てみましょう。
必要なもの
- ハンドタオル1本
- タイマー
必要なものはタオルとタイマーだけ。
(ハンドタオルとかきましたが、フェイスタオルでも問題ありません。)
タイマーはタオルを握っている時間を図るために使いますので、スマホのタイマー機能などで代用できます。タオルは丸めたときに握って、指がつかない太さにできるように畳みます。準備するものこれだけです。
タオルの畳み方
①ハンドタオルのサイズでしたら、半分に畳みます。
②それを軽い力でくるくる巻いてあげます。
グリップの時間と力加減
タオルを準備したら、実際にタオルを握っていきましょう。
- 右手で丸めたタオルを握る。タオルは普通のハンドタオルを緩く巻いたものを使います。握る時は、力の割合30%ほどで軽く握るのがコツです。
- 2分握ったら手をゆるめ、1分間の休憩を入れる。休憩後、ふたたび2分握る。
- 同じ方法で左手で2分、タオルを握る
- 2分経ったら手を放して、1分の休憩を入れ、再度2分握る
- これを左右3セット/1日行う
身体に負荷がかかるわけでもないのですが、上手くできているとタオルを握って離した時に手がジンジンとするのを感じるはず。
これが一酸化窒素が出ている証拠ですので、目安にして力を加減しましょう。最初のうちは、どうしても体に力が入りすぎてしまい、30%の力で握ることができません。
力いっぱいにぎってしまう方が効果が高いように思うかもしれませんが、ハンドグリップ法では「30%の力を2分維持してタオルを握る」ことがとても大事です。慣れない間は意識して手の力を調整しましょう。
身体への負担はなく、膝が悪い・腰が悪いという人でも行える健康法ですから、血圧高めが気になる人はチャレンジしてくださいね。