バスタオルで身体を拭いた時に、ほこりのようなものが付着すると悩む方は居ますが、これには原因があり、適切な対策も方法もありますから、予備知識として知っておくと対処しやすいです。
タオルトラブルの毛羽落ちリスク
値段が高い高級なタオルでも身体を拭き取ればほこりや羽のようなものが付着する事は十分にありえるお話。
というのもタオルというものは綿織物ですから糸を綿繊維で束ねて作ってあるので、力が加われば小さく短い繊維が滑脱していきますし、選択をして繊維が途中から切れるなんてことも頻繁に起こります。
毛羽落ち防止策について
落ちた毛羽が身体に付着すると埃のように見えてしまいますので、どうしても落ちてしまう繊維を洗濯中に取り除くという方法がもっとも現実的で効果のある方法になります。
もしあなたが縦型の洗濯機で洗濯をしている場合にはクズ取りネットの利用が有効。
また、このときにしっかりと毛羽を取り除くためにお水は多めに入れて洗濯しましょう。特に最初は水量アップしておくほうが懸命です。またネットについてはできるだけ細かい繊維が取れるようなものを選んでおくと良いです。
また、洗濯方法の注意点としては洗濯時、槽内にたくさんの衣類をギュウギュウに詰め込んで洗ったり、水量が少ないのはダメ。水が少ないと水の動きが悪くなり毛羽が拾えなくなります。またタオルの繊維が擦れるためにほつれや傷みが増加する可能性が高いです。
水が少ないだけで発生量と除去量両方の点からくずがお水中に漂うことになります。吸着できなかったクズはどうしても表面積の大きいタオルに多く付着しますので、結果的に身体を拭いた時にほこりのような形で付いてきてしまうんですね。
最近はドラム式の洗濯機を使っている方が多いと思います。その場合にはクズ取りネットは対策として難しいと思いますので、洗濯物の量を減らしてみてはいかがでしょう。良いタオルを選ぶというのも一つの手ですよ。また、しっかりとクズ取りをしておくことで他の衣類などに付着することを抑制することもできるので是非しっかりとケアしていきたいところです。
毛羽落ちさせにくいお洗濯方法は?
また、タオルを柔らかく使いたいからと、柔軟剤を使う方も多いです。しかし、本来タオルに柔軟剤を使用しない方が良いです。柔軟剤の使い過ぎはタオル自体を劣化させて毛羽落ちを招く事になります。どうしても使う場合にも使い過ぎには注意が必要です。
また、タオルを購入して使い始める前に、たっぷりの水量(柔軟剤無し)で洗濯し、綿組織の引き締めや毛羽落ちをあえてさせてから利用する。こうすることで身体につくほこりのようなものは激減します。
安いタオルは毛羽落ち激しい傾向
一般に市販されている比較的安価なタオルは新品の状態では、柔軟剤が付いているものも少なくありませんこれは店で消費者が商品購入する際の手触り感がアップし売れやすくなるため行われる処理だったり、繊維商品を守るために行われています。この柔軟剤を洗い流すためにも、一度選択するのは有効な手段です。
柔軟剤がなくなることで水を弾かず吸水性を発揮したタオルになる場合が多いです。
毛羽落ちのようなほこりを防ぎつつ、吸水性を高める為にも洗濯のポイントを押さえて利用するのは重要になるでしょう。
毛羽落ちの原因を科学の力で見る
下の画像は電子顕微鏡でタオルの表面を観察した画像ですが、普通に見ていると綺麗に揃っている糸一本一本も、実は曲がっていたりはみ出ていたりとなかなか複雑な構造になっています。
引用:東京大学物性研究所
織物によっては風合いを軽くするために、上の写真よりもひねりを甘くしたりと工夫がされます。このような製造条件によってタオルによっては非常に綿の切れ端である毛落ちがしやすくなるものもあります。
タオルの柔らかさを追求した、タオル表面のパイル(輪)を切ったシャーリングタオル、糸撚りが甘い商品、無撚糸タオルなどは毛羽が出るリスクが高いタオルになります。
逆に言うと、撚りがキツく使ってみると固いと感じるタオル、ガーゼタオルのようにパイルが無いものは毛羽が目立たないタオルとなります。このような織り方やタオルに使われる糸によっても大きく出来上がりが変わるからタオルというのは奥が深い。是非、それぞれについて特徴を知って、タオルを選ぶ事は重要になりますね。
さいごに
全体的にタオルは埃のようなものが出てしまうのですが、値段が安い品質の低いタオルは使用している綿の繊維が短いことが多いので異常なほど毛羽落ちすることがありますので要注意です。このタオルゴミが発生する可能性がどうしても高いやすいものはタオル自体の耐久性も低いのでできれば、良質なものを購入することがおすすめです。
場合によっては数度使っただけでゴミだらけで雑巾にしか使えなくなるようなものもありますので、目安としてまずは数年使っても劣化しにくい3,000円以上の今治タオルをおすすめします。理由は使われている材料にこだわりが出てくるから。本当は今治でなくても良いものは多いのですが、少なくとも品質チェックの厳しいブランドが良いでしょう。
どうしても安いタオルは短く不ぞろいな綿を使う必要があるのでどうしても、綿が抜け出てしまいます。特に安価で柔らかさを売っているものは注意しましょう。ブランド物であれば品質が保証されていますので安心して購入いただけると思います。
用途に応じたタオルの選択と扱いが大切になりますので、繊維の特徴を知った上で適切な商品選択を行い付き合っていく事が必要ですね。