日本人の多くは1日の最後、眠る前にお風呂に入るというリズムで過ごしている方が多いようです。
また、お風呂に入った後でないと気持ちよく熟睡できないという経験がある人もいらっしゃるでしょう。実はすでに皆さんが本能的に分かっている、入浴と快眠にはとても深い関係があり、お風呂の入り方で快眠できる理由があるのです。
ここでは入浴することで心地よい眠りができる理由や、熟睡につなげる入浴のコツなどをご紹介いたします。お風呂からベッドへの黄金ルートを確立していきましょう。
お風呂に入ると快眠できるのはなぜ?
お風呂に入った後に寝つきが良くなり熟睡できるのには理由があります。その理由は、
人間の身体は体温が下がり始めると眠気がやってくるという仕組みにあります。
それも「急激に体温が下がる」ほど、寝つきが良くなるのだそう。お風呂に入った直後は身体が温まってポカポカになっていますが、1~2時間ほどすると温まった一気に体温が下がってきます。この大きな体温の変化が快眠の入り口となるのです。
そして、体温が下がってきたタイミングで布団に入ると心地よい眠りにつきやすいのです。
熱いお湯に入る方が体温が高くなりより眠りやすくなると思われがちですが、あまりに熱いお湯に入ると覚醒してしまって逆効果。就寝する1~2時間前に湯温40度以下のぬるめのお風呂に入るようにするとよいでしょう。就寝までの時間や眠りにつきやすいお湯の温度には個人差がありますから、何度か試してベストな時間や快適と感じるお湯の温度を探すといいでしょう。
シャワーだけだと睡眠への効果なし
毎晩かならず寝る前にお風呂に入れればいいけれど、忙しいからシャワーで済ましていませんでしょうか。
お風呂もシャワーも同じようなものだからと思うかも知れませんが、睡眠効果の点で言えば全く異なります。
例えば、同じ10分間の入浴でも、全身浴では身体が芯まで温まりますがシャワー浴では温まりきらずに終わってしまいます。
快眠には体温が上がって急降下することが大事ですから、体温が下がりっぱなしのシャワー浴では快眠につながりにくいのです。シャワー浴ができる時間があるなら、もう少し時間を取って湯船にお湯をはりましょう。10分でも全身浴をすると快眠でき、全身のリラックス効果も高くなります。
快眠のためのお風呂の入り方
それでは、快眠のための入浴のコツを3点をご紹介しましょう。どれもちょっと工夫になりますが、入眠時の気持ちよさが格段に上がりますのでお試しください。
快眠入浴ステップ1「40度以下のお風呂に15分間入る」
快眠のためのお風呂は、お湯の温度が重要です。
38~40度のちょっとぬるめのお湯が最も気持ちよく眠りへ移行できます。
ぬるめのお湯なら、湯船に入った時に血圧が下がって「副交感神経」が優位になります。副交感神経はリラックスした状態の時に優位となる神経ですから、入浴中に緊張がほぐれてその後の入眠準備が整っていきます。
逆に熱すぎる温度のお湯だと入浴中に「交感神経」が優位になり、全身が覚醒します。これでは、入浴後2時間が経ってもゆったりと就寝する体になりにくいのです。
また、お風呂に入る時間も15分ほどが最適とされます。
あまり長時間はいっていると体に負担がかかりますから、入浴前にタイマーをかけて15分たったらあがるようにしましょう。
快眠入浴ステップ2「湯船に入り、全身浴をする」
湯船につかる入浴のなかでも、肩までしっかりと入る「全身浴」が快眠につながりやすいと言われます。
半身浴より全身浴のほうが身体の深いところの体温がしっかりとあがり、睡眠効果が高いのです。また、入浴中に筋肉がゆるむことがリラックスにつながります。疲れが取れてリラックス出来れば、入浴後には心地よく眠りに入る準備ができるのです。
半身浴が好きな場合は、入浴時間を長めにとって、身体の奥までしっかりと温まるようにしましょう。ちなみに、全身浴では代謝や免疫機能が向上するとも言われており、疲労回復効果や全身のデトックスにおすすめです。
快眠入浴ステップ3「就寝2時間前にはお風呂を済ませる」
お風呂は寝る2時間前に済ませて、体温の上昇→下降のリズムを作ると睡眠に入りやすくなります。
入浴後はすぐに布団に入る人もいますが、それでは身体が温まりすぎていて眠る態勢に入っていません。まずはゆっくりとお風呂に入り、入浴後は2時間かけて身体をさましていきましょう。
身体がさめるまでにだいたい1~2時間がかかりますから、入浴から就寝までに余裕を持っておくのが大切です。そして就寝前はなるべくスマホやパソコンにふれないように、ボディケアをしたり本を読んだりして過ごしましょう。デジタル機器も身体を覚醒させますから、せっかくの快眠準備がとまってしまいます。
お風呂から上がったら、のんびりゆったり。少し冷えてきたかなと思うタイミングで布団に入れば、ことんと眠れるのです。