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大矢 真:タオルレビュー専門家

日本国内のタオルを使い心地を考えた独自基準で評価。500枚以上のタオルを触り、専門家の視点でコンテンツ作りを行う。

現在2人の子育て中のパパであり、元化学者。理系のひとらしく根拠をしっかりお伝えしながら、タオルの魅力を正確に伝えます。

タオルのコラム

タオルの番手とはどういう意味?知っておくと便利な「わかりやすい用語集」

PC記事上

タオルの用語の1つに「番手」というものがあります。タオル業界ではごく当たり前に使われている用語ですが、意味をわかってる人はと少ないと思います。

番手とは糸の太さ

を表す単位のようなもの。今回はタオル業界で使われている、番手をはじめとするタオルの単位や専門用語について解説しています。

番手とは?

タオルには、綿や麻、ウール(羊毛)といった素材が使われています。これらの糸の太さを示す単位として「番手」という用語が用いられます。

正確に言うと、糸の一定の重さに対して長さがどれくらいあるのかを計算式によって割り出した時の糸の太さが番手です。番手の数値が小さければ糸は太くなりますし、逆に番手の数値が大きければ糸は細くなります。

番手の種類

番手は、綿、麻、ウール(羊毛)ごとで数値が異なるという点は注意が必要です。

つまり、綿の30番手と麻の30番手では、糸の太さは同じではないのです。番手とは太さを直接表すものではない理由は、重さが違うから。素材別に番手の算出方法を見ていきましょう。

綿番手

綿番手は、綿糸の太さに使用される単位です。1番手=重さ1ポンド(約453g)=長さ840ヤード(約768m)という計算式になります。

この計算式に当てはめると、30番手は、1ポンドの綿糸を840ヤード×30=長さ25,200ヤード(約23,040m)に伸ばした糸の太さです。60番手は、1ポンドの綿糸を840ヤード×60=長さ50,400ヤード(約46,080m)に伸ばした糸の太さを表します。

番手の数値が小さいほど糸は太くなるので、綿糸の30番手は60番手の2倍の太さになります。

麻番手

麻糸の太さに使用される単位の一つに麻番手があります。

麻番手は重さ1ポンド(約453g)・長さ300ヤード(約274m)の糸の太さが1番手になります。

この計算方法を使用すると、30番手は1ポンドの麻糸を300ヤード×30=長さ9,000ヤード(約8,220m)に伸ばした太さになります。60番手の場合は、1ポンドの麻糸を300ヤード×60=18,000ヤード(約16,440m)に伸ばした太さです。

綿番手と比較すると1番手当たりの糸の長さが短いということが分かりますね。

毛番手

ウール(羊毛)糸の太さを表す単位は毛番手です。

重さ1kgで長さ1kmの羊毛糸の太さが1番手です。綿糸や麻糸では「ヤード」や「ポンド」を使っていましたが、毛番手だけはメートルとグラムを使った単位になっています。このため、メートル番手とも呼ばれることがあります。

羊毛糸30番手の場合は、重さ1kgの羊毛糸を1km×30=長さ30kmに伸ばした時の太さになります。60番手なら、重さ1kgの羊毛糸を1km×60=長さ60kmに伸ばした太さです。

綿糸や麻糸に比べるとかなり長いですね。

 

番手以外に糸の太さを表す単位はあるの?

先述の通り、綿・麻・ウール(羊毛)の糸の太さを表す単位が番手です。しかし、タオルの素材が絹や合成繊維(ナイロン、ポリエステル)になると番手は用いません。これらの合成繊維の場合には、「デニール」という単位を用います。ストッキングに使われていることでご存知でしょう。

番手では、一定の重さに対する糸の長さを表らわしていましたが、デニールでは一定の長さに対してどれくらいの重さがあるのかを表しています。

1デニールは、長さ9,000m・重さ1gの糸の太さです。30デニールなら、長さ9,000m・重さ30kgの時の糸の太さになります。60デニールなら、長さ9,000m・重さ60kgの糸の太さを表します。番手とは逆で、デニールの数値が小さいほど糸は細くなります。

ちなみに、糸の太さを表す単位として「デシテックス」というものもあります。1デシテックスは、長さ10,000m・重さ1kgの糸の太さを表します。デニールと同様、デシテックスの数値が大きくなるほど、糸は太くなります。ただ、このデシテックスはほとんど使われていない用語であり、業界でもデシテックスの使い方を知っている人はあまりいません。

番手に関連した用語

ここからは、番手に関連した糸の用語をご紹介します。糸の太さを表す単位ではありませんが、知っていると便利なので、ぜひ参考になさってください。

単糸(たんし)と双糸(そうし)

タオルに使用される糸には、単糸(たんし)と双糸(そうし)の2種類があります。単糸は1本の糸をそのまま織ったものです。双糸は、単糸2本を撚り合わせて1本にした糸のことを指します。単糸3本以上撚り合わせることもあります。

双糸で製造されたタオルは、糸が撚り合っていることによって耐久性が高く、長持ちします。業務用タオルの多くは、双糸で作られています。ただし製造に手間とコストがかかるため、価格が高くなります。

正直、タオルを選ぶ時に単糸・双糸を気にする必要はあまりありません。それよりも「どんな素材が使われているか?」「自分の用途に合った素材が使われているか」などを把握することのほうが大切です。

匁(もんめ)

匁(もんめ)は、日本で古くから用いられている重さを示す単位です(※糸の太さではありません)。1匁が3.75gの重さで、匁の数値が大きくなるほどタオル生地は厚くなります。

ただ、匁を使う上で注意して欲しいのが、1ダース(12枚)当たりの重さを表す単位だということです。たとえば、260匁と表示されているタオルがあるとします。このタオル1枚当たりの匁をグラムに換算する場合、3.75×260÷12=81.25gとなります。

なお家庭で使われるタオルは、180匁~220匁が一般的です。グラムに換算すると、56.5~68.75gとなり、標準的な厚みのタオルです。ホテルなどで使用される高級タオルは260匁以上が平均的で、グラムに換算すると81.25g~となります。かなり厚みのあるタオルですね。

タオルを選ぶ時に匁を知っておく必要はないように思われがちですが、タオル業界ではごく普通に使われている重さの単位です。匁の数値が大きくなるほど生地が厚く、ふわふわの触り心地になって高級感が増します。これを知っておくことで、より質の高いタオルを選ぶことができるので、知っておいて損はありませんよ。

 

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大矢 真

タオルの購入は「年間100枚」。日々タオルの探求を続けています。元化学者/WEBディレクター
自分にとってぴったりのタオルを見つけることが、生活の明るさにつながることを伝たい。

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