カタカナ語・外来語には、日本人には違いがはっきりしないものがあります。「バスローブ」と「ガウン」の区別もそのひとつです。
バスという言葉がつくので、バスローブは入浴前後につかうものとわかりますが、では「ガウン」はいつ使うのか?
ここでは「バスローブとガウンの決定的な違い」についてご説明しましょう。実は、使用目的が明確に違うアイテムなのです。
バスローブとガウン、決定的な違いは「吸水か保温か」
非常に簡単に言うと「バスローブ」は「入浴後に水分を拭きとるためにつかうもの」です。バスタオルの代わりに身体を拭くものだと思えばいいでしょう。いっぽうの「ガウン」は、「入浴にかかわらず、パジャマの上に保温のために着るもの」です。つまりバスローブを使うのはお風呂に入った後ですが、ガウンはお風呂に入る前でも後でも、あるいはお風呂に入っていなくても、いつでも保温のために使います。
このように使用目的・用途が異なるため、バスローブとガウンでは「素材」が別のものです。入浴後の身体を拭くために使うバスローブは、吸水性が重要。濡れた身体からすばやく水分を拭きとりたいので、素材は綿や麻・マイクロファイバーなど吸水性の高いものが使われます。
ガウンは保温性重視のため、ウールやフリースなど温かさを逃がさない素材で出来ているのです。
バスローブは「湯上がり用」
バスローブは入浴後に使うものですから、タオル地で出来ているものが主流です。入浴後にバスタオルがわりに使用し、お風呂から上がったらそのままバスローブをはおります。
はおるだけで背中や手足、胸元、お腹などを一気に乾かすことができるのが大きな利点です。また地の厚い生地を使っているので、吸水しつつ保温をすることも可能。
湯上がりの冷めやすい体をしっかりと守ってくれ、バスローブを着たまま髪を乾かしたり、小さな子供の入浴後のお世話が出来たりするので、利便性の高さからも女性に人気があります。タオルメーカーが多くの良質な商品を販売しているのが特徴です。
ガウンは「防寒用」
ガウンの目的は防寒です。就寝前にパジャマなどの上にはおり、体が冷えないままベッドや布団に入ることが目的のもの。
そのため着丈が長くて、身体をすっぽりとおおう形状をしています。ショート丈のガウンもありますが、それでもお尻の下まで届く長さで、体の大半を寒さから守ります。
ちなみに、アメリカやヨーロッパでは「ガウン=洋服の一種」と考える傾向があり、家の中でもパジャマや下着姿でうろうろするのはNGですが、ガウンを羽織ってしまえばOKという人が多いです。
バスローブの使い方
バスローブは入浴後に使います。これ一枚で体ぜんぶを拭いてしまいますから、バスタオルは必ず必要というわけではなくなります。
「バスローブ=とても大きなバスタオル」と思えばいいでしょう。
ただし、バスローブの長さや形状から脚などが出てしまうことがあったり、髪の毛を完全に乾かすことが難しかったりしますので、別のタオルで足や髪を乾かすことはあります。いずれにせよ、バスローブとバスタオルは同じように考えればいいので、お洗濯の頻度も毎日でなくてもかまいません。
習慣によって異なると思いますが、もしバスタオルのお洗濯を毎日しない語仮定の場合には、使用後に吊るして乾かしておき、週に2回ほど洗濯機で洗えばいいでしょう。
バスローブとガウンのよくある質問
よくある質問に
ガウン姿で人に会ってもOK!?
というものがあります。
ここまでバスローブとガウンの違いについて述べてきましたが、決定的に違う点はもうひとつあります。それは、使える場面についてです。
アメリカやヨーロッパでは、ガウン姿でちょっとした用事を済ませてもOKとみなされていることです。
さすがにガウン姿で屋外へ出ることはありませんが、たとえば宅配のひとが来た場合は、玄関先に出てガウン姿で荷物を受け取ることは問題ないと考えられています。具合の悪い時は、仲の良い友人などともガウン姿で会うことはOKで、可愛らしいガウンなどは日中の使用も考えてデザインされています。
逆に、バスローブ姿で人と会うことは絶対にありません。バスタオル一枚で宅配荷物を受け取ることがないのと同じで、バスローブは洋服にはなりえないのです。日本ではガウン姿で人と会うとびっくりされますが、バスローブとガウンの違いが明確な欧米では、このような使い分けがされているんです。